先日は、国交省;すまい給付金ホームページ「かんたんシミュレーション」使用時の注意点(その1)の記事をアップしました。
(社長ブログ) http://report.acty.ne.jp/?p=1705
(その1)では、初年度に現金で支給される『すまい給付金』の算出方法を調査し、所得税や住民税を算出する際の「所得控除額」を、過小に想定していることによる危険性を報告しました。
おそらくこの誤差の影響は
「給付金を20万円と算出すべきところを10万円に算出する」
「給付金を30万円と算出すべきところを20万円に算出する」
という「10万円の誤差を発生する」と推察できる。
今回(その2)は、「住宅ローン控除額」のシミュレーション結果の問題を掘り下げる。
10年間に渡る計算ゆえに、毎年度に誤差があれば、その誤差は益々広がる可能性がある。
大きなポイントは2つ。
①毎年の取得税や住民税を算出する根拠に誤差があるので、10年間の控除額はもっと誤差が大きくなる可能性がある。
②扶養親族に子供がいる場合、子供の年齢変化を考慮していないので、10年間の控除額の誤差がさらに大きくなる可能性がある。
算出の為の入力項目は、
<税金計算に関する項目>:国交省;すまい給付金ホームページ
・年収
・扶養家族の人数
<ローンに関する項目>
・借入額
・金利
・借入期間
・返済開始月
(その1)のレポートにおいて「毎年の税金計算において社会保険料などの控除額が少なすぎる」ことを報告した。
その誤差が10年間続く! 1年に3万円の誤差があれば・・30万円の誤差を生む!
問題はそれだけではない。
加えて「扶養年齢の変化」に対する配慮がしていない!
子供の扶養控除は年齢で異なることはご存知かと思う。
<その年の12月31日現在の満年齢>
16歳未満 扶養控除なし
16歳以上 19歳未満 → 一般扶養控除あり
19歳以上 23歳未満 → 特定扶養控除あり
一般扶養控除とは、一人38万円控除(住民税は33万円)
特定扶養控除とは、一人63万円控除(住民税は45万円)
上記のように、扶養者の年齢で控除額が異なる。
「国交省;かんたんシミュレーション」の入力項目は
『扶養家族の人数は?』であり、年齢を考慮しない。
ということは・・・
10歳の子は、10年間、「扶養控除なし」で計算される。
扶養控除がない!ということは、「税金は多くなる」
10年間税金計算をすると「ず~つと多く税金を払う計算をしている」
ということは・・・・「ず~つと住宅ローン控除額を多く計算している」という事になる。
17歳の子は、10年間、「一般扶養控除」で計算される。
扶養控除がある!ということは、「税金は少なくなる」という事です。
10年間税金計算をすると「ず~つと少なく税金を払う計算をしている」
ということは・・・・「ず~っと住宅ローン控除額を少なく計算している」という事になる。
この誤差は、場合によってはかなり大きくなる危険性がある!
(その1)で指摘した「すまい給付金」の算出根拠の甘さも驚くが、
(その2)の「10年間の住宅ローン控除額」に至っては・・・・・言葉がない!
国交省のホームページに文句を言う立場にはないが、もう少し正確な説明をして欲しい。
この甘々な試算を元に「年収の目安」を表示してあるものだから、営業現場で混乱が起きる!
『国交省:すまい給付金ホームページ』を使うなら、「しっかりシミュレーション」を使って欲しい。
社会保険料控などは、自分で計算して控除額を設定する必要があるが、生命保険料控除や住民税調整控除も配慮されている。 「すまい給付金」はかなり正確になる!
ただし、子供の年齢変化への対応はないので「10年間の住宅ローン控除額」については「かんたんシミュレーション」と同じ不備を抱えている。
この『国交省:すまい給付金』のシミュレーションを、どう評価すれば良いのだろう?
「まあ、正確ではないですが・・給付金が貰えれば幸いですし、10年間、それなりの税還付が受けられます」って感じの不明瞭な会話にならざる得ない。
こんな事では、営業現場で優遇税制をしっかり説明する事は出来ない。
せっかくの住宅取得促進税制も、お客さまには伝わりにくい!
「マイホームFP」を使っている方は、このような点は明確な差別化が出来ています。
はるかに高精度なので、自信を持って説明に使って頂きたい!!
※不明点は、私に問合せて下さい。
電話:0852-31-1670
FAX:0852-31-8399
Mail:ishimoto@acty.ne.jp
<国交省サイト:注意チラシPDF>
住まい給付金サイト注意 ②