国土交通省:すまい給付金ホームページ『かんたんシミュレーション』利用には要注意!!(その1)

マイホームFPの『住宅ローン減税シミュレーション』は、
簡易シミュレーションながら高精度で「すまい給付金額」と「10年間の住宅ローン控除額」を算出する。
評価は高い!!

『国土交通省:すまい給付金ホームページ』にも
「 すまい給付金」「住宅ローン控除 」のシミュレーションが準備されている。
しかも、丁寧にも『かんたんシミュレーション』と『しっかりシミュレーション』と2パターンが準備されている。

以前から、「すまい給付金額」「10年間の住宅ローン控除額」ともに、計算結果がマイホームFPと異なることは認識していた。
互いに『簡易計算手法』をとっている為、プログラム内部で持つ計算方式が 異なるので「計算結果が異なることも仕方ないこと!」と放っておいた。

「国交省:かんたんシミュレーション」の内部計算方針は不明だが、
「マイホームFP」の方がより精度が高いという「勝手な根拠の無い確信」の元に放っておいた。

ところが、「勝手な根拠の無い確信」と「国土交通省:かんたんシミュレーション」の 算出結果については、一般的には後者の方を信用するようだ。(笑)

このままでは悔しいので、「国土交通省:かんたんシミュレーション」の算出根拠を調査してみた。

「すまい給付金」「10年間の住宅ローン控除額」を計算するには、 本人の所得税と住民税を算出する必要がある。

国交省の「かんたんシミュレーション」では、 所得税や住民税を求める為の入力項目は
・収入
・扶養人数
僅か2項目で税金計算をやってしまうという、超簡易入力方式だ。(斬新すぎ!)

所得税や住民税を求めるには、 まず「課税対象額」を求める。

簡単に言うと、課税対象額に税率を掛けたものが ”払うべき税金” であり
課税対象額は 「収入 - 給与所得控除額 - 所得控除額」 で求める。
この課税対象額を根拠として税金計算を行う。

給与所得控除は、税法で率や金額が定義されているので問題ないと思う。
問題は「所得控除額」を求める場合だ。

所得控除」には、下記のような項目がある。
・基礎控除、扶養控除、配偶者控除等の人的控除
・社会保険料控除
・生命保険料控除
・医療費控除
・地震保険料控除
・・・etc

簡易入力法によって税金計算を行う場合、
上記のような控除金額をどの程度まで想定するかで、結果が異なってくる。

この想定が違うので「マイホームFP」と「国交省:かんたんシミュレーション」では、計算結果が異なる。

まずは、「すまい給付金」について調査を進めてみる

国土交通省では、すまい給付金のパンフも準備している。

その中に、扶養対象となる家族が1人(専業主婦、16歳以上の子など)をモデルとして
■目安年収/住民税所得割額/すまい給付金額の表も配布している。

(国交省が配布しているパンフ情報の一部)(下図)

国土交通省:すまい給付金パンフ

(かんたんシミュレーションの画面)(下図)

これと、マイホームFPの計算結果が合わない!
これでは、根拠は探せない!

そこで、国土交通省のHPには、「しっかりシミュレーション」という詳細データでのシミュレーションも準備されていたので、それを徹底的に検証してみた。

この「しっかりシミュレーション」は、社会保険料控除等を自動計算ではなく手入力させる。

控除額を色々変えて検証してみた。
「人的扶養控除」以外の控除額を見つけるのだ。

見えた! 国土交通省の「かんたんシミュレーション」の所得控除の金額が!

なんと・・入の「10%」を、社会保険料控除額としての換算値として採用しているようだ。

『10%?』・・・・・それ大丈夫?

社会保険料って、結構改定されていて、この9月にも厚生年金の保険料率が上がった。
現在の各保険料率は、ざっと、こんな感じ
※()内が本人負担分
・厚生年金 17.828%     (8.914%)
・健康保険    10.00 %   (5.0 %):平均値
(料率は都道府県で異なる)
・介護保険    1.58%   (0.79%)
(40歳以上~65歳未満)
・雇用保険 15.8%   (0.5%)
(一般の事業)

ざっと、収入の「15%前後」になると考える方が通常ではないおだろうか?
なのに・・・国交省のサイトでは 「10%控除」で簡易計算。(控除が少なくないか?)
そのシミュレーションを元に、すまい給付金パンフなどの資料が作成されている。

社会保険料控除だけで、5%前後の控除額の違いが出るという事は、 税金計算としては大きく違ってくる。

問題は・・・・
所得控除額が少なくなるという事は、課税対象額は多くなるという事だ。

課税対象額が多くなるとすまい給付金は「少なく」計算される。
実態との誤差が大きいと言わざるえない。

国交省のホームページには、あくまで参考だと明記してあるが、 これは・・どうだろう?
住宅会社の営業担当者は、税制や金融について知識の乏しい人も結構多い。
無料で使える簡単シミュレーションとして、何の問題もないものとして堂々と使って、お客さんに説明している。
(国交省が出しているシミュレーションに間違いはないだろう?・・と、普通は思う)

計算の前提と、その前提により想定される誤差について説明が欲しかった。

それが無い為に、「マイホームFP」が間違っているのでは?
と、あらぬ疑いまで掛けられて迷惑千番な話ではある。

国交省のモデルケースとして提示されている
・扶養親族1人(控除対象配偶者1人と16歳の子供など)で、シミュレーションすると
収入510万円の場合、
「国交省:かんたんシミュレーション」では
所得割額が93800円と判断され、給付額は10万円』となる。
「マイホームFP」では
所得割額が80900円と判断され、給付額は20万円』となる。

「マイホームFP」の方が「すまい給付金」が多いので良い!ではなく・・・
所得控除額が実態に近く、計算結果は「妥当である」と言える。

※「国土交通省:かんたんシミュレーション」の額より、実際の給付額が多くなるのだから「より嬉しく感じる!」なんてオチは、無用です。

すまい給付金は、初年度に1回のみ支給されるので、誤差があっても10万円位
「シミュレーション額より多く給付金が貰えるなんて・・嬉しい!!」で済むかもしれない。

では、10年間に影響する『住宅ローン控除額』はどうだろう?

次回は、10年間の住宅ローン控除額を検証してみる!

こっちは、大きな誤差がありそうだな・・・
続きは、次回! 今回は、ここまで!

<国交省:すまい給付金HP利用時の注意>
下記のPDFで確認できます。

住まい給付金サイト注意 ②

 

平成27年10月22日
株式会社システムデザイン・アクティ
代表取締役 石本光史