国土交通省発表の10月の住宅着工戸数は、84,251戸。対前年同月比25.2%増。
2ケ月連続での着工数増加です。

消費税アップ前の駆け込み需要が始まっているのでしょうね!?

確かに、取引先でお聞きしても・・・・『そうだね!』 と、はっきり言われる方もある。
消費税は、平成26年4月に3%アップで8%になる予定。
住宅購入の場合は、平成26年3月までに入居すれば従来の5%。
または、平成25年9月までに契約完了すれば、従来の5%と言われている。

確かに、消費税だけの損得で考えれば、5%適用の方が支払額は少ない。
建物価格が、1600万円の場合だと 
              5%   80万円 合計1680万円
              8%  128万円 合計1728万円
その差は、48万円です。

だから、消費税アップ前の方が住宅購入が有利!

本当にそうだろうか?

住宅購入者には、住宅ローン減税制度という優遇税制がある事をご存じですね?

住宅ローンの年末融資残高に対して一定割合で税金を還付する制度です。
住宅取得促進税制として、過去何度かの制度改定しながら、定着している制度です。

現行制度は、
 平成24年12月までに入居した場合(後、数日ですけど・・・)
  長期優良住宅は、10年間で最大400万円の税金還付。
  一般住宅は、  10年間で最大300万円の税金還付。
 (省エネ住宅は、 10年間で最大400万円の税金還付)

 来年、平成25年12月までに入居した場合は
  長期優良住宅は、10年間で最大300万円の税金還付。
  一般住宅は、  10年間で最大200万円の税金還付。
 (省エネ住宅は、 10年間で最大300万円の税金還付)

入居が来年になると、総額で最大100万円の減額です。
勿論、税金還付ですから、自分が払った税金以上には戻りませんので
最大還付金額適用されない方が多いですよ!

しかし、住宅ローンが3000万円程度、所得も500万円程度、扶養2名。
こんなサラーマン世帯だと、平成24年入居と平成25年入居では
一般住宅の場合だと・・・・還付額が34万程度少なくなる可能性があります。
(長期優良住宅は、上記条件だと一緒です)

※資産は、『マイホームFP』の住宅ローン減税シミュレーションにて算出。
<平成24年入居>
※A1.制度利用による減税額の累計は、を確認して下さい。

 


<平成25年入居>
※34万円少なくなります。


 
今年の10月から12月に工事着工した方は、ほぼ来年入居でしょうから
消費税のアップは免れます!
しかし、住宅ローン減税での還付額は少なくなりますね!

借入額、年収がもっと多い方・・・・・・・驚く結果になります。

それは、それでOKです。
生きていく中で何かを選択する時には、手に入るモノと手からこぼれるモノと両方が存在する場合もあります。
納得できていれば、OKです!
知らずにいた人は不幸ですが・・・・仕方ない!!

現行の住宅ローン減税制度は、平成21年に実施されたものです。
平成21年、22年入居は、長期優良住宅は10年間で最大600万円。
                一般住宅は、  10年間で最大500万円。
平成23年から毎年減額し、平成25年が最終年で平成26年で廃止。
勿論、次なる制度設計で新制度が始まるはずです。

でも、これが現行の制度です。

平成26年から適用される『新住宅ローン減税制度』は・・・・
おそらく、現行制度の最終時期より優遇されるのではないかと思います。

その場合・・・・平成26年12月までの入居に適用でしょうから、
消費税の差額以上の差が発生する人もあるでしょうね。

消費税ばかりに気を取られていてはいけませんね!
情報を整理し自身で納得できる判断をする事が肝要という事です。

ただし、施主は各種の税制を正確に理解している人は少ない現実があります。
だから住宅のプロに頼る訳です。建物自体のプロは工務や設計部門でしょうが
税金やファナイナンス等は、営業担当者がプロの役割を果たさねばなりません。

例年ならば、この時期、来年度の税制改正の大綱が発表されます。
その中で、このような制度に対する方向性も多少見えたりするのですが
今年は、この年末に選挙です。

困ったものですね!

住宅営業マンの方、考える事が必要ですね!
消費者が、
『消費税アップのデメリットと住宅ローン減税のメリットを比較すると・・・・・・・どっちが有利でしょうか?』
と聞いてきたらどうします?

  『大丈夫、大した差はない! 今が買い時!』
  と、毎度の対応では、信用をなくしますので、ご注意を!

今、集客にも困ってない! さばくだけでも大変! お客さまにはローン計算だけで十分!
豪語する営業責任者もいます。

確かに、おっしゃる事も確かです。
お客がその気になっているのに、ごちゃごちゃと心配事を口にする必要はない!・・かも

しかし、”配慮する事” と ”無知” は違います。

こんな時こそ、お客さまは何に興味を持っているのか? 何を知りたいのか?
良く考えて自己研鑽しておく事が、信頼される一流の住宅営業マンではないでしょうか?

それが、プロ!!

 

<参考サイト>
『マイホームFP』 http://www.acty.ne.jp/products/ss/index.html

『太陽光FP電卓』 http://solarfp.com/

                         株式会社システムデザイン・アクティ
                           代表取締役 石 本 光 史